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その「相続放棄」、ほんとにするの!? (From 梅ちゃん)

皆さん、こんにちは!

札幌の FPを中心とした専門家ユニットなないろ福円隊

福円隊の自称いやし系担当、行政書士の梅ちゃんこと梅澤です。

 


私は普段判断能力が不十分になってしまった方の財産管理をする仕事を中心に、相続や遺言といった分野のご相談に応じています。

    

その中で、亡くなった方の葬儀を終えたあとにご遺族の方から「相続放棄をしたいのですがどうしたらよいですか?」とのご質問をいただくことがあります。 

 

そこで今回は、この相続放棄について少し書いていきます。

 

ご質問は以下のような内容です。

 

息子A「亡くなった父の家族は母B(亡くなった人の妻)と私(息子)だけです。

  

   父の残した財産は全て母に渡したいので、私は相続放棄をしたいのです。」

 

 

母親思いの優しい息子さんです。

 

この場合「相続放棄」の手続を取ることだけが、息子Aさんの思いを実現するために必要な方法なのでしょうか?

 

 

相続放棄については、このブログでもFPベンゴシやyoshizo-行政書士が何度か取り上げていますが、

簡単に言うと、「家庭裁判所に言うことによって、亡くなった方の財産をすべて受け継がないことにする方法」です。

 

これによって、預貯金などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産もすべて受け継がないことになります。

 

一般には亡くなった方の借金を受け継がないためになされることが多いのですが、その場合に限らずすることができます。

 

手続としては、家庭裁判所に戸籍謄本などの一定の書類を提出することによってします。

 

家庭裁判所に行ったり、場合によってはたくさんの書類が必要になることもあり、慣れていない方にとっては

なかなかに面倒な手続きと思われます。

 

 

さて、この息子Aさんは、もう一人の相続人である母Bさんにすべての財産を渡すために、

上のような手続が必要と思われているようです。

 

しかし、この場合に息子Aさんの思いを実現するためには、そのような「相続放棄の手続」は必要ありません。

 

ではどうすれば良いのか?

 

それは、息子Aさんと母Bさんの遺産分けの話し合いの結果を書面にした「遺産分割協議書」に

「父が残した財産は全て母Bが受け継ぐ。」といった内容のことを書けば良いのです。

 

これによって母Bさんは、亡父の預貯金や不動産などの財産を全て受け継ぐことができます。

 

わざわざ家庭裁判所のお世話にならなくて良いわけですね。

 

 

なお、亡くなった方に多額の借金があるなど相続放棄の手続が必要と思われる方は、

 

お近くの弁護士か司法書士にご相談されることをお勧めします。

 

次回のブログは、

FPの中のFP! まりりんです。
どうぞお楽しみに♪